アフリカローズ6周年記念「AFRIKA ROSE 6th EXHIBITION」~アフリカローズに魔法をかけるデザインの舞台裏~

お陰様でアフリカローズ広尾店は今年の10月で6周年を迎えました。2015年10月に、愛するお客様たちと一緒に路面店をつくり、今日まで継続できたことに心から感謝申し上げます。

6周年を記念して、日頃はバラに焦点が集まりがちですが、バラを演出するデザイン(ラッピング、配送BOX、パンフレット等)、そして、そのデザインをつくるデザインチームの方々のお仕事に焦点を当てたいと思います。新しいアフリカローズの魅力や、違う角度からのアフリカローズをお楽しみいただければ幸いです。

デザインチームのメンバー紹介

 

アートディレクター

古谷 萌 Moe Furuya
アートディレクター/イラストレーター
1984年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。株式会社電通を経て、2017 年「Study and Design」設立。グラフィックデザインを中心に、商品開発、CI、VI、広告キャンペーン、パッケージデザイン、キャラクター開発など、幅広い分野で活動。

 

デザイナー

五十嵐淳子 Igarashi Junko
東京生まれ。多摩美術大学卒業。
都内の2つのデザイン会社でアートディレクター・グラフィックデザイナーを経て、
2021年よりフリーでデザイン活動をはじめる。

 

フォトグラファー(商品カット)/ デザイナー

海野真司

AFRIKA ROSE ジェネラルマネージャー 海野真司 広告代理店にて、VMDの仕事を中心に、店鋪のディスプレイや店内販促物の企画・デザインに携わりながらフラワーアレンジメントを学び、フリーランスへ。グラフィックデザインを中心に活動しながら、2010年ウエディングフォト会社エスマーレを設立。2013年着物と生花による帯デザインの「帯花」プロデュースを始める。 2017年よりAFRIKA ROSE に携わり、現在広尾本店と六本木ヒルズ店のジェネラルマネージャーとして活躍中。アフリカローズのデザインチームでは、商品(花束)の写真撮影、ポップ作成、HP・広告用キービジュアル作成を担当。

 

フォトグラファー(イメージカット)

福島 典昭

1972年京都生まれ。
1990年父親である風景写真家福島右門の影響で写真を始める。2002年PHOTOGRAPHERとして活動開始。
広告・雑誌を中心にPORTRAIT,FASHION,STILL LIFEで活躍。

桜木奈央子
ケニアの農園の写真を撮影いただいています。

 

インタビュー

今回は、アートディレクターの古谷萌さん、デザイナーの五十嵐さん、そして商品フォトグラファー/デザイナーの海野さんにお話しを伺いました。※インタビューアはアフリカローズ代表の萩生田が行っております。

 

ーそもそも、アートディレクターやデザイナーってどんな仕事なのでしょうか?私(萩生田)は全くデザインとは無縁の環境で育ってきたので、アートディレクターやデザイナーと聞いても、正直、どんなお仕事なのか最初は全くわかりませんでした!

萌さん:アートディレクターとは、商品やサービスを視覚に落とし込むビジュアル表現の総監督です。ポスターや企業ロゴ、パンフレットなど、仕事に合わせてチームを編成して、最適解をつくります。

五十嵐さん:デザイナーとは、クライアントさんの思いや商品特徴を、届けたいお客さんに向けて、アートディレクターと一緒に「カタチ」に変えて伝えていくお仕事です。

 

ー実際にプロダクトができる時のデザインのプロセス(アイディアから商品化に至るまでのストーリー)って、どんな感じですか?

五十嵐さん:ブランドコンセプトを中心に置いて、どんな「Happy(楽しさ・美しさ・驚き など)」をお客さんにお届け出来るかを考え、どんな表現や色にするかを決めていきます。

 

ーアフリカローズに初めて出会った時の印象を教えてください。

萌さん:これまでに見たことのない沢山の種類の薔薇、そしてそのひとつひとつに名前があることに感動しました。

五十嵐さん:今まで、高貴で繊細だと思っていたバラの認識が吹っ飛び、大きくて力強い、色鮮やかな美しいバラに心を奪われました。恥ずかしながら、こんな風に生きてみたいと思ってしまいました。

海野さん:初めてアフリカローズを見たのは約6年前、「ワイルドさ」だけを感じました。当時バラには「美しさ」だけを求めていたので、後から知る「生命力」「大輪」「カラフルさ」にケニアのバラの“凛とした”姿に感動。

もともと「色」が好きだったので、バラにこんなに色があることに驚きました。

 

 

ー『AFRIKA ROSE』のロゴにに込めた思いを教えてください。

萌さん:まず「AFRICA」ではなく、現地語の「AFRIKA」にすること。そしてアフリカにある象形文字から形をもらい、原始的な印象とモダンな印象を両立させることをコンセプトにしました。アフリカの力強さと、その価値を伝えるための高級感のバランスを模索しました。

五十嵐さん:厳しい自然で育ったアフリカローズの「強く、美しい生命力」。本来、生き物や人が持っているものを表現したいと思い、絵文字や象形文字をモチーフに、アルファベットをデザインしました。

海野さん:POPやツールには必ず入れていますが、どの場面でもインパクトがあり、またデザインを邪魔しないところが、とても気に入っています。使いやすいです。

 

 

アフリカローズの蛇腹のパンフレットをご覧になった方も多いと思います。あのパンフレットはお客様の中でとても評価が高く、特に同じデザイン業界やクリエーターさん、アーティストさんから「めっちゃカッコイイですね!」と褒められることが多いです。パンフレットを額に入れてお部屋や飲食店に飾ってくださっているお客様も多いんですよ。パンフレットを作った時のことについてもお話を伺ってみましょう!

萌さん:これまで白や黒の背景で撮られることが多かった薔薇ですが、アフリカローズの薔薇の力強さ、多様性を表現するために、アフリカらしさを感じるカラーパレットをつくり、色と色のぶつかりあいによる新しい薔薇の世界観にチャレンジしました。

萩生田:色選びも、アフリカの土や布などから抽出していただきましたよね。あのカラフルさはお客様にもスタッフにも大好評なんですよ!五十嵐さんは、いかがですか?

五十嵐さん:シンプルに自然な美しさをを伝えるという事に、神経を注いでいます。出来る限り要素を削ぎ落とし、線ではなくスペースで区切ったり、自然なリズムで読める事を意識したフォント選びや文字間隔、特にバラの写真の切抜きと影の活かし具合、背景の色合わせは、本当に細かい作業と検証を繰返しました。

萩生田:フォント選びと文字間隔。サラっとおっしゃいますけど、文字と文字の幅を0.01単位で調整したり、バラの写真の影が自然にかっこよく見えるように、とてつもない細かい作業をしていらっしゃいますよね。写真のレタッチの作業は1日がかりと聞きました。正直、驚きました。あのシンプルな1枚の画像に丸1日をかけるなんて、すごいプロ意識だな、とシンプルな美しさと心地よさの裏には、デザイナーさん達の血のにじむような努力があったのですね(涙)。

五十嵐さん:「血のにじむような努力」は、ちょっと大げさすぎる気が。。文字詰めやクオリティを担保するのはデザイナーとして当然なので、、逆にそこをアピールするのは、プロとして恥ずかしいです。。
私は上司からずっと、「洋服のシミはすぐ気になるよね。汚いと目立つんだよ!違和感なく普通に見える事は、キレイという事だ。」と教わって育ってきました。

萩生田:そうなんですか!!とても謙虚。しかも、深い。すんなりと人々の手にフィットしたり、違和感なく受け入れられることが高いクオリティということなのですね。

萌さん:紙質や折る角度、印刷の色の出方にも拘っています。お客様が手に取った時に「気持ち良い」と直感レベルで感じるように設計されています。

萩生田:なるほどー。デザインを受け取る側は理屈や理論じゃないですものね。パっと見て「気持ちいい」か「興味ない」か。もっと動物的な一瞬の感覚で人間は無意識に判断していますものね。文字の間隔や手触りの感覚までも計算され検証を重ねていらっしゃるのですね。シンプルな美しさと心地よさの裏には、デザイナーさんの高いプロ意識と謙虚さがあるということがわかりました。改めて、デザイナーの皆さんの凄さに頭が下がります。

 

五十嵐さん:それと、うまく言えないんですが、古谷さんのディレクションはすごくて、(色々な方とお仕事させていただきましたが、その中でも)私は、古谷さんにめちゃくちゃ引き出してもらったり、活かされてると思ってます。
古谷さんの作るものや考える事はもちろん好きですが、なんと言っても一緒に作ってると楽しい!色々浮かぶ!良くなる!感覚が常にあります!

萩生田:なんて素敵!!この信頼関係があるかからこそ、ワンチームでクオリティ高い作品がアウトプットできるのだと感じます。お仕事をご一緒できることが本当に尊く有難いです!!これからも宜しくお願いします。

 

さて、後半のインタビューいきましょう!

ー新しいデザインを生み出す時ってどんな感覚なのでのでしょうか?

萌さん:今まで世の中になかったオリジナルを誕生させる感覚です。アイデアはすぐに思いついても、オリジナルに仕上がるまでには沢山の検証が必要で、それが毎回辛くも楽しい時間です。

五十嵐さん:色々な可能性をいっぱい考えて、本当に大切な事だけを集めていくと、パズルが組み合うみたいに、新しい「カタチ」が出来上がって、あるべき表現や色が見えてくる感覚です。

海野さん:力み過ぎは絶対NG!考え込んで時間をかけてデザインするより、一瞬で浮かんだデザインの方が決定することが多く、自分自身もしっくりします。

 

ーデザインする時、どんなことを意識しているのでしょうか?

萌さん:依頼してくれた方の武器になること。その人(企業)の手にしっかり馴染んで、毎日使ってもらえることを意識しています。その上で、その人が進みたい未来に牽引してくれるデザインを提供したいと考えています。

五十嵐さん:ブランドや商品と表現が合っているか、伝えたい人にちゃんと伝わるかをベースに置き、何かしらの「Happy(楽しさ・美しさ・驚き など)」を込める事を常に意識しています。アフリカローズでは、アフリカの自然を感じるアースカラーを基調に、バラがキレイに見える色合わせと、あえてシンプルにレイアウトしていくことで、飾らない美しさの表現を意識しています。

海野さん:デザインを生み出す際には必ず、クライアント(相手・お客様)がいます。自分の個性を入れるように心がけていますが、最終的には相手が喜んでくれる「笑顔」を想像します。

萩生田:確かに!このチームがデザインする全てのアウトプットが、武器になっています!!お陰様で、お客様に幸せや喜びが広がっていくのですね。

 

ー6年を振り返って、印象深かったことはありますか?

萌さん:考えるよりも先にやってみること。それがアフリカローズ自体の生命力なのかもしれません。コンセプトをつくったりデザインすることはどうしても時間がかかり、時にはそんなことよりも、すぐに体を動かしてみることの大切さを教えてもらっている気がします。(デザインする側としては、やはり計画性はほしいのですが。笑)

萩生田:いつも急で本当に申し訳ないです。。。もう少し計画性をもってご一緒できるように頑張ります!五十嵐さんはいかがですか?

五十嵐さん:やっぱり、出会いです。バラの美しさはもちろん驚きましたが、萩生田さんとヒデさんに初めてお会いして、アフリカローズへの思いと、無茶ともの思える行動力に圧倒され、感化された事です。

萩生田:あはは。笑 2015年の広尾店オープン頃は、今よりも計画性がありませんでしがからね。行動力と言われると聞こえは良いですが、たくさんの方々にお世話になり(とうか、ご迷惑をかけて)ました。あの頃にタームマシーンで戻れたら、自分を叱りたい気持ちです。そして、その無茶なお願いを応援してくださった方々に心からの感謝しかありません。

 

ーあなたにとって、アフリカローズとはどんな存在でしょうか?

萌さん:ケニアの薔薇と同じくらい、強い生命力を感じる存在です。これからも強いキャラクターがどんどん集まって、さらに力強いコミュニティになると思います!

五十嵐さん:アフリカローズの強さや美しさ、存在感は私の生き方の遠い憧れです。そして、アフリカローズさんは、どんどん規模もステキな人も増え、ひとつずつ試行錯誤して成し遂げていく度に、すごい!よかった!と思えるのと同時に、私もがんばらなくちゃ!と、いつもパワーをもらえる存在です。

海野さん:いろいろ挑戦できるステージがあるので有難いですね。

 

ー今後アフリカローズで挑戦してみたいことはありますか?

萌さん:恥ずかしながらケニアの農園に行ったことがないので、まず一度は行ってみないといけません。その景色が、アフリカローズの新しい可能性を教えてくれる気がしています。

五十嵐さん:具体的にはまだ見えてませんが、私が魅了されてる「強く、美しい生命力」をみなさんにもっと伝える事が出来たらと。そして、私がもらってるパワーをみなさんに届けられたらと模索しています。

海野さん:バラをいかすプロダクト制作や、逆にバラに全く関係ないアフリカローズらしいプロダクト制作に挑戦してみたいです!

 

ーインスピレーションの源泉となる趣味や好きな本、好きなデザイナーさん等があれば、是非教えてください。

萌さん:絵を描く人が好きです。小学生の頃、広島のそごうで見たエッシャー展やマグリット展は衝撃的で、夢中で絵葉書を眺めていました。アーティストだけでなく、デザイナーから絵描きになったレオ・レオニさんや安西水丸さんも好きですし、アール・ブリュットと呼ばれる自分の衝動だけでつくられた作品にも心惹かれます。どんな形でも、絵を描き続けることは、私の人生の目標でもあります。

五十嵐さん:大人になって気づいたんですが、私は「物語」のある表現が好きです。子供のころ、押入で電灯んでしまうくらいが好きで、成するにつれ映画やドラ、お芝居も好きになり、大では舞台びました。今までは広告わってきましたが、これからは少しでも、表現するものに「物語」を入れられるよに、チレンしていきたいと思っています

海野さん:流されやすいタイプなので、あえて特定のデザイナーさんの作品を見ることはしていません。常に意識していることは、できる限り本屋に行き、表紙が素敵な「雑誌」を買いあさります。音楽で言えば「ジャケ買い」。色の使い方や組み合わせを参考にしています。

 

 

【まとめ】

アフリカローズの商品に魔法をかけるデザインチームの舞台裏、いかがでしたか?ひとつのプロダクトが生み出されるまでに、たくさんの人の力やインスピレーション、試行錯誤、細かい作業、そして「素敵なプロダクトを生み出したい」という熱い想いがあるということが少しでも伝わったなら嬉しいです。

そして、これまではどんなに馴染みがなかったデザイナーさんたちも、私たちと同じようにバラのエネルギーや生命力に感動し、そのパワーを伝えたいという気持ちがデザインの源泉になっていることもわかり、デザインというお仕事に少し親近感が湧いたのではないでしょうか?これからもどんどん進化していくアフリカローズ。今後の新しいプロダクトのリリースをお楽しみに!そして、新しい商品を見た時には、萌さん・五十嵐さん・海野さんが背景で活躍していることを想像し、そのエッセンスも楽しんでいただけれたら嬉しいです。

 

【アフリカローズ デザイン展について】

開催時期:2021年10月1日から10月31日まで

開催場所:アフリカローズ&フラワーズ六本木ヒルズ店内

開催時間:11:00-20:00 ※事前予約必要なし

感染症対策:検温、消毒、ソーシャルディスタンス、マスク着用

 

【アフリカローズ6周年記念花束について】

アフリカローズのデザインチームが6周年記念花束をつくりました。

アフリカローズが持つ自然の美しさとケニアの大地の生命力を表現した数量限定の花束となります。オンライン販売期間:9月20日ー10月20日※数量限定(仮)