2019年4月11日、AFRIKA ROSE & FLOWERS 六本木ヒルズ店オープン

ある日、広尾店の前を通りかかった素敵な方が

「ここのバラはとても素敵だから、六本木ヒルズに出店しませんか?よろしければ、担当の営業の方をお繋ぎしますよ。」


ということで、話はトントン拍子に進みました。

え?六本木ヒルズに?絶対に賃料は高いに決まってるし、そんな夢みたいな話ある?私たちには背伸び過ぎだよね。


そう思わずにはいられませんでしたが、ひとまず現地を見に行くことにしました。

大好きな六本木ヒルズの雰囲気、毛利庭園の目の前のロケーション、雨が降ってもバラが濡れないのにバラにとって好条件の涼しい場所。

場所を見た瞬間、「ここにお店を出したい!」と直感的に思ってしまったのです!!!


ヒルズに入っている企業との取引やブランドとのコラボレーションの可能性も広がります。広尾と六本木は近いので、何かあったらすぐに行き来できる距離です。今後、多店舗展開するのかどうか決まっていませんが、試すのには丁度良い距離だと思いました。


心は「ぜったいに六本木ヒルズ店を出したい」という気持ち。

頭は「どうすれは出店できるか?」という方法論を考え始めている状態。


でも現実的な出店費用だったり、出店までの期間には大きな壁、乗り越えると更に高い壁、また壁…の連続でした。


アフリカローズ以外にも、いくつかの花屋さんやインスタ映えするスイーツ屋さんもエントリーしていたという事で、激戦でした。森ビルの偉い方々に何度もプレゼンを重ね、最終的に「とても応援したくなるビジネスです。ぜひ、出店していただきたい。一緒に頑張りましょう。」と言ってくださったのです!

子供お迎えの時間を気にしながらのミーティング
床や壁は自然のものから抽出した色に拘りました。

2018年11月末でした。

決まった当日から早速、細かい打ち合わせがあり、図面とにらめっこ、電卓とお友達の日々が続きました。本来ならば、半年以上かけて店舗デザインや出店計画を練り8-10ヶ月後の出店が一般的だそうです。


5月には母の日が控えており、それを逃すと閑散期の夏。

何としても母の日の1ヶ月前の4月上旬には出店したいという意志を伝えました。


これは前代未聞だと言われました。

でも不可能ではない。前例なし、前人未到のなか、4ヶ月後のオープンを目指してスケジュールを描きました。


いつもの私なら夜中まで自分が無理してでも必ず達成させるのに、今回は息子が待機児童になってしまい認可外に預けていたので、17時までにはお迎えに行かなければならないという制約まで加わってしまったのです。夫、実家の母、ベビーシッターさんの多大なる協力を得ながら、六本木ヒルズ出店プロジェクトを進めていきました。


しかも、その時点では、なんと資金調達が完了していませんでしたが、最終的には何とかなる!という想いで走りました!!


難易度の高いプロジェクトでしたが、森ビルさんや関係業者さん、中小企業診断士の先生方、そしてデザイナーさん方の多大なるご協力のもと、2019年4月にAFRIKA ROSE & FLOWERS 六本木ヒルズ店がオープンすることができました!

デザイナーさんによる手描きのイメージ
CGのイメージ
たくさんの友人がお祝いに来てくれました!

全く余裕がなく、戦略的な出店計画は立てられませんでしたが、この六本木ヒルズにオープンした実績、そして挑戦したことがAFRIKA ROSEの発展にとって素晴らしい意味を持つことは明確でした。


六本木ヒルズ店オープンに向けて新たにスタッフが増え、総勢15名になりました!重要な新店舗の店長は私がやりたいと立候補しました。


オープンして1ヶ月は、新しい場所やスタッフ同士、新しいお客様に慣れること、そして1ヶ月後に控えた母の日(1年中で最も忙しい日)に向けて準備をすることでした。


オープン前が激務だったので、オープンしたらホッとするのかなぁ、少しは休めるのかなぁなんて、どこかで少しだけ期待していた自分が甘かったと思うほど、オープン後は更に忙しく全く休む時間をつくることができませんでした。

なんとか母の日までは頑張ろう!と気合いで乗り切り、母の日が終った瞬間、私の頑張り糸がプツンと切れてしまい、生まれて初めてのギックリ腰になってしまいました。。。


このギックリ腰は、私にとっては単なるギックリ腰ではありません。これまでは自分が無理したり踏ん張ったりすることで何とか乗り越えられて来たことが「このやり方では、もう無理なんだ」という学びの体験になったのです。


確かに、思い返してみれば、アフリカに行くときも、初めてバラを輸入するときも、広尾店をオープンするときも、いつも無茶な計画を立てて周りを巻き込んできたな、と反省しました。独身で体力がある時だから良かったけど、家族ができて2店舗15名の組織になった今、このやり方では皆を苦しめてしまうかもしれないと思いました。


そう気付いたら吉日、自分から立候補した六本木ヒルズ店の店長をわずか1ヶ月半で降りることにしました。私が店長をやっていると経営全体を見る余裕がなくなってしまっていたからです。しかも身体がもたない。両方は無理だと。ちょうどその頃に家族の不幸があったのに、その悲しみも深く感じることができない程の忙しさだったので、もうこれは無理だと思いました。

さて!やっと落ち着き、これから再出発だ!と張り切っているのは自分だけ。店長を降りるという私の行動(というよりも、誰にも相談せずに、いきなりひとりで勝手に決めてしまったこと)が引き金となり、私にとって更なる試練が待ち受けていました。

それは最近で最も辛い出来事となりました。