「一見華やかなファッション業界には闇がある。もしあなたもそれに加担してしまっているとしたら?」とおっしゃるのは、
私がフォローしているレムケなつこさん。もともと途上国の貧困問題に関心があり青年海外協力隊で活動したのち、オーガニックに興味を持ち現在はオーガニック先進国であるドイツから「エビデンスに基づいたオーガニックの情報」を配信されています。
(北欧で購入した100%リサイクル生地のワンピース)
最近更新された情報の中に、ファッション業界についての情報がありました。https://www.instagram.com/p/CneNUirNbO_/
ポイントは以下の通り。
現在、全世界でつくられている洋服は年間10兆枚を超え、その生産過程では多くの問題を引き起こしています。
1. 廃棄問題
製造される洋服の60%は製造後1年以内に焼却処分やゴミ埋立地に積み上げられています。(→10兆枚の60%って、6兆枚。新しく造られた洋服がそんなに捨てられているんですね。ビックリ。)
2. 環境問題
世界全体の10%の温室効果ガスはファッション産業から排出されているのだそうです。(→そんなに捨てるなら、最初から造る数を減らせば、温室効果ガスの排出も減りそうですよね。)
3. 人権問題
洋服を造っている生産者は貧しい国の女性が多いのだそうです。調査によると、インドの生産者の60%が身体的・精神的虐待を受けたことがあると答えているのだとか。(→確かに、10年前にバングラデシュのラナ・プラザで起きた事件(2013年、劣悪な環境で搾取されていた生産者1000名以上がビルの崩壊によって命を落とした事件)が思い出されます。)
皆さんは、どんな基準でお洋服を選んで購入していますか??
アフリカローズはケニアのバラをフェアトレードで日本に直輸入しています。
普段、私たちを美しく華やかに楽しませてくれるファッション。カラフルで素敵なお洋服や靴やバッグ。
以前の私は、デザインと価格で選んでいました。「かわいい!」と思ったら試着して、お値段が手頃であれば買う、と言う感じでした。安い価格なら「ラッキー!」と思って買っていました。
でも、10年くらい前のある体験をしてから、考え方がガラっと変わりました。
(北欧デンマークでは、街のいたるところに古着回収が設置されており、赤十字へのドネーションやセカンドハンド店に送られるのだそうです。)
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【スウェーデンの社会実験】
目の前に2つの自動販売機があり、どちらの販売機にも見た目のデザインや色や質は変わらないTシャツが入っています。自動販売機AのTシャツは500円。自動販売機BのTシャツは5000円です。同じような見た目やデザインや材質なのに、お値段だけが異なります。
2つの自動販売機には、それぞれ覗き窓がついており、その窓を覗くと次のような光景が見えてきます。
自動販売機A(500円のTシャツの方)の覗き窓からは、今にも壊れそうな暗く不衛生な環境の中、疲れた表情の女性や子供が働いているのが見えます。1日の賃金は10円とか20円とか、搾取されているとしか思えないお給料しか貰えていません。仕事も楽しそうではなく、苦しそうです。
自動販売機B(5000円のTシャツの方)の覗き窓からは、衛生的で広々とした明るい環境の中、生き生きハツラツとした表情の大人が、正当な賃金をもらい、誇りを持って働いている光景が見えます。皆、楽しそうに笑顔で働いています。
さぁ、あなたはどちらのTシャツを選びますか??
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その実験では10人中10人が自動販売機Bの5000円のTシャツを選んだそうです。
私も、その体験の後、洋服を選ぶ基準が変わりました。
「つくられた背景」を店員さんに聞くようになり、答えられないお店では買うことを止めました。
今では、つくり手や原材料や生産過程や環境に配慮されたブランドから洋服を買うようになりました。
10年前は、エシカルやサステナブルなブランドというと、なかなかデザインが可愛いと思えるものを見つけるのが大変でしたが、最近ではとってもおしゃれで可愛く、且つ、環境や生産過程に配慮されているブランドが増えてきましたね。本当にありがたいです。
アフリカローズはケニアのバラをフェアトレードで日本に直輸入しています。
ちなみに、私はEnter the Eというセレクトショップが大好きで、お値段もお手頃だし世界中から可愛いデザインしかもサステナブルなお洋服がたくさん見つかります。
People Treeは老舗で、MylanやCloudyはセンス良くて大好きです。革製品はアフリカ繋がりでエチオピアの高級シープスキンのandu ametも可愛いです。アウトドアやスポーツ用品はもちろんPatagonia!これらのブランドは、SDGsという言葉やmovementが生まれる前から素敵な理念で活動されている、私にとっては「裏切らない」「絶対信頼できる」ブランドです。
(私が愛用しているandu ametのバッグ。ふわふわで軽い。)
北欧に滞在していた時は、ファストファッションでさえも、ほとんど全てのお洋服が少なくても50%はリサイクルポリエステルやオーガニックコットンのラベルが貼られており、わざわざ探さなくても、いつでもどこでもエシカルなお洋服が買えたので便利でした。
北欧ではヴィンテージやセカンドハンドも日常的に人々に利用されていたり、セカンドハンドで買った洋服を自分なりにアレンジしたり、長く着て破れてしまったら縫ったりアップサイクルして可愛く着こなしていました。新しく買うだけでなく、持っているお洋服を長く着続けるというのも素敵なエシカルだと感じます。
日本も昔からスロークラフトや修理しながら長く愛用する文化がありますよね。
デンマーク滞在中も、多くのデンマーク人から「日本人の、ものを大切にする文化が素敵」と言われました。最近では、日本はファストファッションが主流な印象ですが、日本人の素敵な部分も大切にしていきたいと感じる今日この頃です。
長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。