目次
そもそもバラとは?|植物としての基本情報
バラ(薔薇)は、バラ科バラ属(Rosa)に分類される落葉性の低木・つる植物の総称です。
原種は約100〜150種が知られており、その多くは北半球の温帯地域に分布しています。花の色や香り、形の美しさに加えて、品種改良による多様性が高く、世界中で最も愛されている花のひとつとされています。
現在、観賞用のバラは主に以下のような分類で語られます
- 原種(ワイルドローズ):自然に自生する野生種
- オールドローズ:19世紀以前にヨーロッパで育種された伝統的な品種
- モダンローズ:19世紀後半以降に生まれた現代品種(ハイブリッドティー、フロリバンダなど)
- イングリッシュローズ:クラシックとモダンの魅力を併せ持つ品種群(主にデビッド・オースチン社)
これらは単なる観賞目的にとどまらず、香料・薬用・文化的象徴など、さまざまな側面から私たちの生活に関わっています。
バラの歴史をひもとく|起源と人類との深い関わり
古代文明におけるバラの登場(エジプト・ギリシャ・ローマ)
最古のバラの記録は、古代メソポタミアや古代エジプト文明にまで遡ります。古代エジプトではバラの花が神聖な植物とされ、墓や神殿に捧げられました。ギリシャ神話でもバラは愛と美の象徴であるアフロディーテと結びつけられ、古代ローマでは社交や祝祭に用いられる花として重宝されました。
ヨーロッパでの品種改良と“愛の象徴”への進化
中世ヨーロッパでは、修道院などで薬用植物としてバラが栽培されていました。やがて観賞用としての価値が高まり、品種改良が進みます。特にイギリスとフランスでは“王の花”として地位を確立し、バレンタインや結婚式などで贈られる「愛の象徴」としての文化が根づき、ルネサンス期では詩や芸術に登場し、文化的な側面としても用いられるようになりました。代表的な作品として「ロミオとジュリエット」があげられます。
近代におけるバラの普及とローズガーデン文化
19世紀の産業革命以降、園芸文化の発展とともにバラの交配も盛んになり、多様な品種が登場。イギリスでは「ローズガーデン文化」が花開き、一般市民の間でもバラを育て楽しむ風潮が広がりました。
バラはどこから来たのか?原産地と世界への広がり
中央アジア・中東を中心に広がった野生のバラ
バラの原産地は、中央アジアから中東、そして中国西部にかけてとされています。自然交雑によって多様な野生種が誕生し、それがシルクロードなどを通じてヨーロッパやインド、東アジアへと広がっていきました。
日本のバラの伝来と文化への影響
日本にも古来より野生のバラ(ノイバラやテリハノイバラなど)が自生しており、和歌や庭園文化の中で親しまれてきました。江戸時代以降、西洋の品種も輸入され、観賞用としての栽培が広まりました。
アフリカにも咲くバラ
現代ではアフリカ、特に東アフリカのケニアやエチオピアが世界的なバラの主要生産地となっています。これは近年のグローバルな花市場の変化と密接に関係しています。
現在のバラの生産地の変遷
ヨーロッパからアフリカへ。地球規模で変わるバラの産地
ヨーロッパ、特にオランダやフランスはバラの品種改良や流通の中心地として発展してきましたが、20世紀後半以降、大規模な商業栽培の拠点は赤道直下の高地地帯、特にケニアやエチオピアなどのアフリカ諸国へとシフトしました。ケニアは1895年から英国の保護領となり、1920年に植民地化されました。植民地時代にイギリス人がホワイトハイランドと呼ばれる高地でバラを含む農作物を栽培し、ヨーロッパに輸出していたことが、現在のバラ産業の基盤となっています。
独立後の現在ケニアでは、切花を含む園芸産業においてたくさんの雇用を生み出す産業へと成長していきました。5万人〜7万人を直接雇用し、150万人強を間接的に雇用しています。ケニアの農業部門の中では、花卉栽培は紅茶に次ぐ外貨獲得産業になりました。
高地・気候・技術が支えるアフリカの花づくり
赤道直下の高地という奇跡的な立地ケニアの成功の最大の要因は、赤道直下でありながら標高1,800〜2,400mの高地に位置するという地理的条件です。この立地により、年間を通じて安定した温暖な気候と大きな昼夜の寒暖差を実現しています。バラ栽培には理想的な日照時間(年間約3,000時間)と適度な降水量、そして病害虫の発生を抑える乾燥した環境が揃っています。特にナイバシャ湖周辺は、淡水資源が豊富で灌漑に適しており、火山性土壌による優れた排水性も備えています。
アフリカに咲くバラの魅力|知られざる産地の力強さ
ケニアの高地で育つ高品質なバラとは
ケニアのナイバシャ湖周辺などでは、持続可能な農業技術と厳しい品質管理のもと、世界中へ出荷される高品質なバラが栽培されています。これらのバラは茎が太く、花のもちも良いため、欧米や日本のフローリストから高い評価を得ています。2025年開催の大阪・関西万博では、6月24日ケニアのナショナルデーに合わせてケニア特産品のバラが来場者に配布されました。
AFRIKA ROSEとは?アフリカと日本をつなぐ花のストーリー
持続可能なバラづくりとフェアトレードの取り組み
AFRIKA ROSEは、ケニアのバラ農園からフェアトレードで直輸入する、日本発のライフスタイルブランドです。創業者・萩生田愛さんが2011年にボランティアでケニアを訪れた際、その生命力あふれるバラに魅了されたことがブランドの起点となりました。ブランド名「AFRIKA ROSE」の「K」は、ケニア(Kenya)の“K”と、スワヒリ語での「アフリカ(Afrika)」を掛け合わせた特別な表記です 。2012年に小規模な輸入販売からスタートし、2015年に広尾に第1号店をオープン、2019年には六本木ヒルズ店へと展開を広げてきました 。今では2,000人以上のケニアの生産者に関わる雇用が創出されています 。また、AFRIKA ROSEは社会的・環境的責任も重視しており、農園ではフェアトレードを通じ、児童労働対策や教育・食堂の整備、女性のエンパワメント支援などにも注力しています 。
AFRIKA ROSEは2020年6月から「カーボンオフセット」と言う取り組みを行っています。バラ1本につき5円の寄付を任意でお願いしております。バラを輸入する際に発生する二酸化炭素をオフセットすることで地球温暖化などの気候変動を軽減させる活動になります。ケニアのリフトバレ―に毎月植樹をしており、毎月平均で20本ほどの木を植えています。
まとめ|バラの歴史を知ると、一本のバラがもっと特別になる
バラの歴史は、人類の歴史と深く結びついてきました。古代の神話から現代の社会課題解決まで、一本の花が持つ力は計り知れません。アフリカのバラを知り、選ぶことで、あなたの手元の一輪が誰かの人生を彩るきっかけになるかもしれません。AFRIKA ROSEでは多彩な品種のバラをご用意しております。ECサイトからお気に入りのバラを見つけてみてください。