母の日が終わりギックリ腰の痛み、大切な人とのお別れで心が癒えないまま6月を迎えました。

新しい六本木ヒルズ店の店長は、これまで3年間広尾店の店長として活躍してくれた彩加ちゃんです。


広尾がオープンした当初から3年で店舗を成長させてくれたので、次の舞台で更に成長して輝いて欲しいという願いから彼女にお願いしたのです。


ところが彼女としては「めぐみさんは自分で店長をやると言ったのに途中で投げ出した」という認識でした。聞いてみると、彩加ちゃんだけではなく、他のスタッフも皆そのように思っていたというのです!!!しかも次から次へと私に対する不満の意見が出て来ました。


その時は、私も怒りと悲しみの気持ちが込み上げて来て、

「皆そんなに私のこと嫌いなら辞めれば良いのに!なんで私のつくった会社で私が悪口いわれなきゃならないの?」と思いました。

以前のアフリカローズは、スタッフ全員が家族のように仲良くて、悪口をいう人なんてひとりもいなくて、お互いに感謝を伝え合うような組織でした。それなのに、悪口を、しかも私の悪口を皆が言っているなんて、と思うととてもショックでした。


こういうコミュニケーションの問題が起こる時は、たいてい氷山の一角です。

振り返ってみると、出産前はよく皆でお茶やごはんに行っていました。家族のような関係で、仕事の話もプライベートの話もたくさんしていました。でも出産してからというと、私はスタッフと食事どころかお茶に行く時間、更には世間話をする時間を全く取っていなかったのです!!!


意図していたわけでもなければ自覚もありませんでしたが、子供のお迎え時間が迫る中「とにかく効率的に仕事を片付ける」というスタンスに変わってしまいスタッフひとりひとりとのコミュニケーションがおろそかになっていました。ミーティングにおいても、以前は皆で夢やワクワクすることを話して楽しかったのに、「詰問されているみたい」と言われた事もあります。私のコミュニケーションが硬く冷たくなっていたのです。

ことの重大さに気付き、田中に相談すると「やっと気付いたんですか?」と。

そして、彩加ちゃんは退職することになりました。

「めぐみさんのことは人間としては大好きなのに、このまま一緒に仕事をしたら嫌いになってしまいそう。」と泣きながら言ってくれました。


とても大切なメッセージでした。

よく考えてみると、私の中の「AFRIKA ROSE」の位置づけが変化したことにより、私の皆への態度や接し方が変化したように思います。


「子供ともう少し一緒に過ごしたい」という魂の声に蓋をして、時には無理をして仕事をしている中で、私の心の中のどこかでアフリカローズという存在に心から感謝できない部分がありました。仕事がなければ子供ともっと一緒に過ごせるのに、と。そして無意識に「私も無理して努力しているんだから皆も無理して努力するのは当たり前」という厳しいスタンスになっていたのかなーと思いました。そんな社長、そりゃ嫌ですよね!

このまま、自分も周りにも無理をして苦しく生きていきたいのか?

それとも、自分もチームも以前のようにお互いを思いやり、無理をしないサステナブルな姿に生まれ変わりたいのか?

その答えは後者でした。

2019年のクリスマスイブ、私のこれまでの感謝や想いを手紙に書き全スタッフにプレゼントと一緒に渡しました。手紙を書くことで、これまで私が忙し過ぎてアクセスできていなかった自分の内面の感情や相手への感謝の気持ちと出会うことができました。そして涙が溢れて来ました。


「あ、こういう温かい気持ちだったな」

と、私の大好きだった頃のAFRIKA ROSEに対する気持ちを思い出すことが少しずつできるようになってきたのです。


私の中のアフリカローズの位置づけが、

「子供との時間を奪う存在」から「私の人生も、私の大切な人の人生も豊かにする素晴らしい存在」という認識に戻すことができました。私は心の声に従って、息子と過ごす時間を増やし、これまで断れなかった週末や遅い時間の仕事を断るようになりました。


そうすると、自然に自分の心が満たされ、皆にも「自分の好きなことをやって幸せになってもらいたい。無理してほしくない」という本来の自分に戻ることができたのです。